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Vol.5 カルボナーラとたかはしたまご

Vol.5 カルボナーラとたかはしたまご

【“究極のカルボナーラ”の誕生】

2014年秋、念願の自分のお店「Hostaria Casa Bella」を遂にオープン。しかし、オープンに至るまで幾度となく「カベ」にぶち当たり、一番大切なたかはしたまごで作るカルボナーラは残念ながらオープンには間に合いませんでした。

やむなくオープン当初は別の卵を使い「王道のカルボナーラ」としてメディアにも登場し、お客様にもご提供していました。実際にこれはこれでなかなかの高評価でした。

その間、約半年に渡り寝ても覚めても、たかはしたまごでカルボナーラを作り続け、ようやくたかはしたまごで作るカルボナーラ、いやこれぞ“究極のカルボナーラ”といっても恥ずかしくない逸品が誕生しました。

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しかしお客様からは、「前のほうが好きだった」「カルボナーラに2,000円も払えない」など率直な意見もたくさんいただきました。その中でも一番印象的だった言葉が、

「普通の卵を使って値段を下げたカルボナーラでいいじゃない」

・・・

???

それは私が決めることだし、それじゃカルボナーラにこだわっている意味がない。

自分なりに理解しようと努めましたが理解できませんでした。

「他にもカルボナーラは食べられる店は五万とありますから、他の安いカルボナーラのお店に行ってもらって構いませんよ」

そうお客様に言ってしまったほどでした。。

Vol.4 カルボナーラとたかはしたまご

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Vol.4 カルボナーラとたかはしたまご

【再び たかはしたまごへ】

たかはしたまごのパンフレットをしっかり読んでなまたまご、卵かけご飯を食べてたかはしたまごの味わいを少し理解した私は一年ぶりにたかはしたまごへ行きました。
今度は言葉遣いにより気をつけて話をしようと心がけました。
高橋さんは私のことを覚えていなかったのかすごく親切に餌について話をしてくれました。

“たまごの美味しさは餌の内容によって決まる。 どうせ家畜が食べるものだから品質基準か甘い事が動物飼料の一般。でも、うちのたまごは人が食べられる事を基準に餌作りに拘っている。ポストハーベストフリーとうもろこしを中心に牡蠣殻、さんご化石、ターメリック、えごま、アルファルファ、そして純良魚粉、その他一般の飼料ではまず使わないと思われる海の幸、山の幸をふんだんに取り込んだ究極のこだわり自家調製飼料。中でも餌の品質に重要な魚粉は釧路産に拘る。魚粉は港で陸揚げしてから加熱加工するまでの鮮度維持が生命線。その意味で漁港最北端釧路産が最適なのです。魚粉の配合は一般的に0〜3パーセント程度、たかはしたまごはこの国産最高品質と言われる釧路産を10パーセント配合している。”
凄い拘りだ。でも何故そこまでする必要があるのですか?
“鶏たちを家族だと思っているからね。勿論休みもないし。子供と一緒だよ。美味しいものを食べさせたいでしょ?最低限のものを子供に与える親はそういないでしょ。昔から比べると卵を取り巻く環境は大きく変わった。たまごを低価格で大量に消費者に提供する美名の元に、大規模な養鶏場からのたまごが大量に流れ込んできます。だけど鶏に対して誰よりも優しく、誰よりも厳しくをモットーにたまごの美味しさを追い求めている。”

私は高橋さんの話を黙って聞いていました。そしていつかこのたまごで日本一美味しいカルボナーラが食べられるイタリア料理店を自分でやろうと強く思いました。

それからは私も仕事で時間を作るのが難しかったですが一年に1回は直接買いに行って高橋さんの話を聞きました。たかはしたまごの拘りは餌に留まらず水、環境、放し飼いのデメリットなど色々と教えてくれました。そのうちに
“君はまた買いに来てくれたのか”
と言ってくれるようになりそしてもう一度私の想いを伝えました。
“自分でお店を持って独立したならば使いなよ。雇われているとたかが卵にこんな値段使わせてくれないのと、生卵意外だと難しいんじゃないか?”
一応買える。独立すれば。いつになるかわからないけど必ず自分のお店を持つ!

そして2014年の秋に念願の自分のお店Hostaria Casa Bellaをオープンさせる事が出来ました。
ですがそこに至るまで、大変な事ばかりでしたが、オープン前に体調を崩し入院する事になってしまいました。

Vol.3 カルボナーラとたかはしたまご

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Vol.3 カルボナーラとたかはしたまご

【卵かけご飯とカルボナーラの共通点】

高橋さんの卵にかける情熱を知り、再びカルボナーラをたかはしたまごで作ってみようと母親に買って送ってもらいました。

まずは卵かけご飯で食べてみる事に。
色が濃い。卵黄も膨らんでいる。箸で溶いてみるものの中々溶ききれません。
時間をかけてゆっくりと空気を入れながらやってみたり、軽く溶いてみたり。
醤油を入れたり、塩を入れたり、何も入れずにそのままにしてみたり。
味見をして1番に思ったのは卵の香りが違いました。ただそのまま味見するよりは、温かいご飯にかける事で香りがたちました。
生卵専用とはいってもそのままたまごを飲むわけではないし、ご飯のゆげ、余熱によりより良い風味が出る。そういった意味ではカルボナーラも同じだ。生ではないけれど火を直接かけるわけではない。
再びカルボナーラを作ってみました。
スパゲッティは1.7ミリの90グラム、全卵一つとパルミジャーノレジャーノ、パンチェッタ(自家製)、サラダ油、白ワイン、ペコリーノロマーノ、黒胡椒、分量も全てグラム単位で測り、白ワインとペコリーノロマーノの種類も色々あるのでまずは使い慣れたものを使用。

いつも以上に卵はフォークでよく混ぜて。
火入れには気を使い、卵の風味を消さないようにと作ってみるものの、また失敗。
朝か深夜にカルボナーラ作りの研究が始まりました。そして何度か作っていくうちに少しずつ上手くいくようになってきました。

結局はカルボナーラには卵がポイント。
と思ってきましたが全体のバランスをとらなければならない。カルボナーラといっても1番食べるのはスパゲッティ。
スパゲッティの種類だけでも何十種類もあるわけだし、ローマで食べたのはリガトーニやペンネといったショートパスタだったわけで。
パンチェッタも自家製では無くイタリア産の物でやってみたら雲泥の差でした。
パンチェッタを作るのには限界があるな。
色々な事が見えてきました。

何から手をつければいいかわからないくらいになってきたので、一旦休みの日にまた高橋さんに会いに行こうと思いました。

Vol.2 カルボナーラとたかはしたまご

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Vol.2 カルボナーラとたかはしたまご

【たかはしたまごでの試作】

試作のたかはしたまご20個が全て失敗に終わり原因が分からないので取り敢えず直接卵を買って生産者の高橋さんに話をしてみよう言うことでたかはしたまごに行ってみました。

店内に入ると鶏達が食べているエサ、食の安全の事などが書いてあるパンフレットなどが置いてありました。
ちゃんと値段を見たことがなかったのですが1個150円近く。結構高いなぁと思いました。
高橋さんらしき方が居ましたが少し話しかけづらい雰囲気。
卵を買った時に話しかけてみました。

“東京でイタリアンレストランのコックですが、カルボナーラというパスタに拘っていて、こちらの卵が良かったので直接買いに来ました!カルボナーラは卵がポイントで火入れ加減が難しいですよね。”

まだ若かった私は話し方にも問題があったと思いますが、見た目が兎に角よろしくなく、悪い印象しか与えられなかったのでしょう。

“火を入れる?うちの卵に?何で?
基本生卵専用だ。卵かけご飯。火を入れたら風味が無くなって本来の卵の味が分からない。風味が大事なんだよ。火を入れるのならばうちの卵は使うな!
たかはしたまごの事を何もわかってないじゃないか!”

え?
驚きました。卵買いに来て話を聞きたかったのに怒られました。いやキレられました。
顔と態度にすぐ出たのでしょう、今度は卵を投げてきました。
何が起こったのか分からなくなるくらい驚いて声が出なかったです。
何なんだよこのオヤジは。そんなに怒る?
もう2度と来ないし買わないし。と本当に思いました。
その後私の卵探しは続きましたがどの卵を使ってもそれなりに美味しく作ることが出来て、いつしか研究ではなく楽しくカルボナーラを作って食べていました。たかはしたまごの用に失敗してしまう卵には巡り会いませんでした。

それから1年くらい経ち、カルボナーラの卵探しの熱が少し冷めてきてしまった頃、家に置いてあった”たかはしたまご”のパンフレットを見つけました。
忘れもしないここのたまご。ブチ切れられて、変わった頑固オヤジの所のたまご。
パンフレットをちゃんと読んでなかったと思い読み返してみると、そこには卵に人生をかけた異常なほどの高橋さんの情熱が書かれていました。私は何度も何度も読み返し、心が動かされました。
“何なんだあの人は…。卵に命かけてる。私のカルボナーラの情熱なんて比べ物にならない……”

私はまたどうしても”たかはしたまご”を使いたい、いや食べてみたいと思い、母親に電話をして買って送ってもらいました。

Vol.1 カルボナーラとたかはしたまご

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Vol.1 カルボナーラとたかはしたまご

【たかはしたまごとの出会い】

カーサベッラ のカルボナーラにはなくてはならない”たかはしたまご”。
このたまごを始めて知ったのは2004年。

少しの期間休みを取って25歳の時に初めてイタリアに行きました。
イタリアローマで食べたカルボナーラは色が綺麗でとても濃厚。

日本のレストランで見かけるカルボナーラとの違いは火入れ加減だと思いました。下手したらたまごに火が入って炒り卵のようなカルボナーラも何度か食べました。(これはこれでとても美味しいんです!)

お店の人に聞くと”卵はちゃんと火を入れないと”の事。
生卵を食べる文化は日本独自のものだと知りました。

ポイントは”たまご”だと確信しました。
日本へ戻って仕事をしながら卵を探しました。

どの卵を使ってもそこそこ美味しいカルボナーラが出来ていたと思っていた時に、母親に”たかはしたまご”の事を聞きました。

実家の近くだったので買ってきてもらって目玉焼きにして試食してみたら驚きました。
今まで食べてきた卵は何だったのか……。もはや別ジャンル。

そしてカルボナーラを作りました。
中々たまごがまとまらず大失敗。

今度は炒り卵に。
ようやく出来上がったと思ったら卵の風味しかないスパゲッティに。今までこんな事なかったのにどうしてこの卵だと失敗するのか……。買って送ってもらった卵20個の試作は全て失敗に終わりました。

休みの日に直接たかはしたまごを買いに行きました。そこで、高橋さんと初対面で思いもよらぬ事件が起こってしまったのです。

カーサベッラがカルボナーラに拘る理由

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カルボナーラは日本でも有名なパスタです。
色々なカルボナーラが日本全国にあります。

そもそも何故そこまでカルボナーラなのか。

私が料理の世界に入ったきっかけがカルボナーラ。理由は単純で大好物だったからです。
そして、誰よりも美味しいカルボナーラを作れるシェフになり、日本一カルボナーラで有名になりたいと思ったのです。

カーサベッラがオープンしてから4年半、毎日カルボナーラを作り続けてきました。
最初は王道のカルボナーラと言ってきました。
何故ならばオープンから半年間は今使わせて頂いているたかはしたまごではなく別の卵を使っていました。

実はこのたかはしたまご自分がお店を持つまでは売ってくれませんでした。
約10年かけてやっと使える事になりました。

いきなりお客様に出すのは不安があったので納得のできるカルボナーラが作れたら出そうと思いました。

ですが想像以上に個人でお店をやるとそれどころではなく、試作に時間がかかり半年近くお客様には出せませんでした。

2015年の5月からやっとカルボナーラを出す事に。
たかはしたまごの生産者の高橋さんは卵博士、卵マニア、卵に人生をかけた方。
そして私もカルボナーラがきっかけでコックになり、シェフになり、やっとの思いで自分のお店を作りましたので”究極のカルボナーラ”と名付けました。

究極のカルボナーラ?何が⁇と思っていたお客様も沢山いましたが勿論完成ではありません。今出来る最高の状態では出していますが研究は日々続いており、終わりはないと思っています。

ですが、人生の半分はカルボナーラと関わってきたのでこれからはたまにこの様な形でカーサベッラの越川徹也のカルボナーラの拘りをお伝えしていきたいと思います。

カーサベッラ オーナーシェフ 越川徹也

青山 外苑前のイタリアン 日本一のカルボナーラのお店

Hostaria Casa Bella / ホスタリアカーサベッラ

 

ミモザの日

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Festa della Donna
3月8日は世界で国際女性デーとされ、女性の自由と平等を掲げる日として祝われる日。
イタリアでは男性から女性に愛や感謝を込めてミモザを贈る習慣があります。恋人や夫婦同士はもちろん、小さな子どもからお母さんへ贈ったり、この日はイタリアの街中がミモザで溢れ返るといいます。
イタリアでは終戦後、心を1つに女性の日を大切にすべくそれを象徴するシンボルが必要とされたそうです。ラナンキュラスやスミレ、アネモネなどがアイデアとして出たそうですが、当時はどの花も高価。
そこで貧富の差なく皆が平等にこの日を祝えるように、イタリアで自生するらミモザはどうだろうという案に至ったとか。
この日にちなんだミモザのケーキ。女性の優しさと愛を称えるミモザの黄色。欧米では春を象徴する色でもあるそうです。
一口食べると、その優しく温かな口どけに包まれ幸せいっぱいな気持ちになります。

Thanksgiving Day

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先日ご予約のお客様から、当日はThanksgiving Dayなのでカボチャなどを飾ってもらえたら嬉しいとのリクエストをいただいたので、テーブルセッティングでお迎えさせていただきました。

11月の第4木曜日が感謝祭の日にあたるそうで、この日は家族で集まり一日中食事と会話を楽しむそうです。素敵な伝統行事です。

毎日お客様からは教えて頂くことが多く、お店を自分でやることで、たくさんの掛け替えのない出逢いと体験をさせていただいております。

11/23でプレオープンから4周年を迎え、5年目に突入しました。改めてこれまで支えてくださった皆さまに感謝申し上げます。

最近のおすすめ食材、料理

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最近のおすすめ食材、料理
アルバ産白トリュフ
マルケ州黒トリュフ
松茸
ポルチーニ
ファッソーネTボーンステーキ
ポルケッタ
清流地鶏
白菜
カステルフランコ
トレビス
チェリートマト
自家製ロースハム
本マグロ
パネットーネ(フライングで…)
その他オーヴォリ茸や春菊、骨付きロバロース、ブレス鶏、たかはしたまごのプリン、などなど…書ききれません。
ドリンクの方は
シチリア、サルデーニャのワインが充実してます。
ノンアルコールの方では自家製リモナータ(レモンスカッシュ)、オーガニックのポンペルモ(ピンクグレープフルーツ)です。

土曜日、日曜日のディナータイム、キャンセルありお席空いてます!

カルボナーラは毎日作り続けてます!

ケータリング

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昨日はジャズとコラボのケータリングでした。
200名分だったので徹夜で仕込みをして、20ケース以上のドリンクも用意しました。
みなさんの協力のおかげで無事に終えました。
料理の盛り付けやメニュー構成、仕込みの仕方など今後の勉強にもなりました。
助っ人の後輩の高部が大活躍してくれました。ありがとう!