究極のカルボナーラに合わせたい最高の一杯として、イタリアはウンブリア州に所在するワイナリー、ファレスコが作る「フェレンターノ」だと私たちは最近そんな結論に至っていました。
そんなタイミングでファレスコのダニエレ氏が日本にいらっしゃるとのことで、ぜひご本人も究極のカルボナーラとのアビナメントをご自身で味わいたいと、わざわざ忙しい合間を縫ってカーサベッラに来てくださいました。
ダニエレ氏はワイン造りに情熱を傾け人生を捧げるリカルド&レンツォ兄弟に共鳴し、かれこれ30年も共に歩まれてきたそうです。ご自身もワインと結婚をしたとおっしゃるほど。
イタリア料理の中でローマ料理が一番好きとおっしゃるダニエレ氏。カーサベッラのお料理に大満足のご様子で、私も嬉しい限りでした。
いざ究極のカルボナーラを召し上がると表情が一転。とても真剣な表情になり、「Perfetto!(完璧)」の一言。
そして心からの拍手をシェフの贈ってくださいました。
私もダニエレさんと同席してお食事を共にさせていただいたのですが、改めてカルボナーラとフェレンターノの相性に驚愕しました。
黄金色がカルボナーラの色と美しく重なり、フルーティーな香りと口当たりの柔らかさがカルボナーラの卵のまろやかさと相性良く口の中で溶け合う。
まさに完璧な組み合わせだと実感しました。
ダニエレさんが、とても粋なことをおっしゃいました。
「こんなにも美味しいカルボナーラは食べたことがない。イタリアの有名店よりも美味しい。確実にここのカルボナーラはイタリアにおいてもトップクラス。もしもこのカルボナーラに1つだけ足りないものがあるとすれば、それは【少しの欠陥】かな。あまりにも完璧で素晴らしいがゆえに、シェフの署名にもなるちょっとした欠陥が足りないとも言えるかもしれない」
といたずらっぽい笑みを浮かべてくださいました。
「カルボナーラに少しの欠陥」。考えさせられます。
最高に楽しく実り多い昼下がりとなりました。ウンブリアで来年お会いしましょう!
マダム 越川里枝

